小田急電鉄は今月から、沿線で所有する月決め駐車場の一部を1日単位で予約者に貸し出すサービスを始めた。駐車場運営会社タイムズ24と連携し、予約システムを整備。対象の月決め駐車場はおおむね駅周辺にあり、同電鉄は「コインパーキングを探す時間の節約になり、スケジュールを予定通りこなすための手助けになれば」と話している。
サービスは、沿線13駅の月決め駐車場17カ所でスタートした。「予約」を意味する「Booking」の頭文字から、予約制駐車場「B」と名付けた。駐車場の稼働率アップと鉄道利用者の利便性向上が期待できる取り組みで、京急電鉄やJR東日本グループでも導入実績があるという。
このうち県内は8駅の9カ所に上る。川崎市内には向ケ丘遊園駅(多摩区)近くの「向ケ丘遊園第1」に4台、五月台駅(麻生区)至近の「五月台」に1台を用意した。このほか座間駅(座間市)や本厚木駅(厚木市)、渋沢駅(秦野市)などに開設された。
料金は場所によって異なり、県内では1日当たり400~1100円。その日のうちであれば自由に車を出し入れできる。利用にはタイムズ24の「タイムズクラブ会員」への登録が必要で、ウェブサイトを通じて予約する。予約は入庫日の2週間前からで、最大13連泊まで可能。前日までキャンセル料が不要なため、急な予定の変更にも対応できる。
事業スタートから3週間程度が経過したが、利用は好調で、「向ケ丘遊園第1」は予約可能なスペースを途中から1台分増やした。利用者からは「駐車場を予約できるので、安心して出掛けられる」といった声が上がっているという。
小田急電鉄は「不要な走行の減少や交通渋滞の緩和による環境負荷の軽減効果も見込める。稼働状況などを踏まえ、順次サービス拡大を図っていきたい」としている。