
情報処理のアイネット(横浜市西区)は8日、6月に千葉県君津市に開設した無人機ドローンの専用飛行場を報道関係者に公開した。すでにドローンを活用してさまざまなビジネスチャンスを創出しようとする企業に実証実験の場として提供している。協業する3社とドローンビジネスの実用化を加速するための団体も同日設立し、「空の産業革命」と称される技術革新を後押ししていく。
ドローンビジネスは映像撮影や宅配、測量、災害の被害把握など、多様な分野での応用が期待される。一方で、安全確保の面から首都圏など人口集中地区の屋外では飛行が規制されており、事業化の可能性を探る上での課題となっている。
飛行場は周囲を山に囲まれた丘陵地にあり、飛行の規制区域外。エリアは14万平方メートルと広大で、実証実験や操縦の技能訓練などに適している。全国でも最大規模で、高速道路「東京湾アクアライン」を使って首都圏から約1時間でアクセスできるのも強みだ。
1日5万円程度で貸し出しており約20社が活用している。アイネットの田口勉副社長は「飛ばさないことには始まらない。利用は加速度的に増える」と話す。
同社の強みは、インターネットでデータ管理するクラウドサービス。ドローンで撮影した映像の蓄積、加工、配信などを総合的に提供するビジネスモデルを構築する狙いがある。
映像解析や安全飛行などドローンビジネスに知見のあるDアカデミー(東京)、ドローン・ジャパン(同)、トライポッドワークス(仙台市)と提携し、事業化を目指す企業向けにさまざまな支援を展開する。8月末には、4社による団体「ドローンビジネスリアライジングイニシアチブジャパン」が始動予定で、トライポッドワークスの佐々木賢一社長は「上空をビジネスに生かす『空の産業革命』で、無限の可能性を秘める。黎明(れいめい)期だからこそ、やりがいがある」。
自前の飛行場で、ドローンが飛ぶ様子を見ながら、田口副社長は「各社の強みを持ち寄り、ビジネスの可能性を広げたい。蓄積したデータを応用し、最終的にはドローンの自動運航にもつなげたい」と意気込んだ。