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マーケットウオッチ
チーズ消費量、実は全国トップクラス 拡大する人気のワケ

経済 | 神奈川新聞 | 2019年5月26日(日) 20:05

目も舌も楽しませる
SNS普及も背景に


こだわりのチーズをぜいたくに使った「DAIGOMI BURGER」のチーズバーガー=横浜市西区
こだわりのチーズをぜいたくに使った「DAIGOMI BURGER」のチーズバーガー=横浜市西区

 熱々のチーズがとろけるチーズドッグやチーズタッカルビなど、拡大するチーズ人気。あまり知られていないが、神奈川県内のチーズ消費量は全国的にみてとても多い。2018年の総務省家計調査によると、数量ではベスト5に横浜、川崎、相模原市がランクイン。1位の横浜市は全国平均の1・4倍となっている。チーズ好き県民の胃袋をどう満足させるか。県内の人気店や関係者を訪ねた。

 平日の昼間でも若い女性客でにぎわう、チーズバーガー専門店「DAIGOMI BURGER(ダイゴミ バーガー)」。今年3月に横浜駅東口の複合型エンターテインメント施設「アソビル」内にオープンしたばかりの話題の店だ。

 ラクレットチーズをかけたタイプが1番人気で、切り口を温め、柔らかくなったチーズをそいでチーズバーガーにたっぷりかけるパフォーマンスに歓声が上がる。

 担当者は「チーズが溶ける様子はおいしそうに見え、写真映えする。以前からチーズ好きな人は多かったが、会員制交流サイト(SNS)の普及とともに若年層に支持が拡大した」と人気の背景について語る。

 老舗総合乳業メーカーのタカナシ乳業(横浜市旭区)でもここ数年、チーズ製品の取扱量が拡大している。

 同社では01年から国産モッツァレラチーズを業務用に展開。商品部の中島憲史マネジャーは「飲食店でチーズを使用するメニューが増加している。さらに国産のものを使用して差別化を図りたいという需要を取り込めた」と分析する。

 手軽にカルシウムなどの栄養を摂取したいという健康志向や「家飲み」の拡大で、家庭用に開発した小分けのモッツァレラチーズなども好評を得ているという。

 また同社では17年、乳製品の魅力を前面に打ち出した「タカナシミルクレストラン」を、横浜・みなとみらい21(MM21)地区にオープン。5種類のチーズの食べ放題が女性客を中心に人気を集めるほか、夜は会社帰りの男性が独りでチーズとワインを楽しむ姿も。マスカルポーネチーズを使ったカクテルなど、ドリンクにも積極的にチーズを活用している。

 企画本部の杉山充幸部長は「今後もチーズ市場は拡大が予想される。海外製品も多く入ってきているが、消費期限の短いナチュラルチーズを中心に、国産の魅力を伝えていければ」と意気込む。


「羊のチーズは濃厚で人気」と話す河内さん=厚木市
「羊のチーズは濃厚で人気」と話す河内さん=厚木市

 県内の牧場で育てた牛や羊から搾った生乳で作ったチーズも、じわり人気を集めている。

 牧場・乳製品工房「牧歌BOCCA」(厚木市)では、メインの商材は牛乳とヨーグルトだが、乳量が多かった際に保存を兼ねてチーズを作り、訪れた人に販売してきた。

 牧場を営む河内賢一さんは「チーズは本来保存食で、農家の漬物のようなもの。もともと自分が食べたくて作っているので、作り方は自己流」と話すが、遠方から訪ねてくるチーズ好きも増えてきたという。

 「酪農家がチーズを作るという文化はまだ日本に根付いていないが、少しずつ国内のチーズ工房も増えてきている。原料になる生乳によってチーズの味は異なるので、食べ比べてみるのも面白い」と提案した。

 
 

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