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「テレワーク・デイ」、県内企業も本腰

経済 | 神奈川新聞 | 2017年7月25日(火) 02:00

「テレワーク・デイ」で閑散とする富士ソフトの本社フロア=横浜市中区
「テレワーク・デイ」で閑散とする富士ソフトの本社フロア=横浜市中区

 情報通信技術(ICT)を活用し、出勤せずに自宅などで働くことを促す「テレワーク・デイ」が24日、政府や経済界の旗振りで初めて実施された。900超の企業・団体が参加し、約6万人がテレワークに従事。柔軟な働き方が模索される中、県内企業も幅広い業種で、自宅や最寄りの拠点での勤務を推奨した。東京五輪・パラリンピックを見据えた交通機関の混雑緩和も念頭に、場所や時間にとらわれない働き方の定着を進めている。

 同日午前、JR桜木町駅前にあるソフトウエア開発を主力とする富士ソフトの本社(横浜市中区)。普段はシステム開発の営業部隊が陣取る「ソリューション事業本部」のフロアに、管理職を含め社員の姿はほとんどなく、一帯は休日のような静寂に包まれていた。

 この日は神奈川、東京のオフィスに勤務する約320人が在宅勤務などのテレワークを実施。東日本大震災後、有事でも事業継続できるよう、出社しなくても業務が滞らない体制づくりを進める中で、2013年から全社員を対象にテレワークを推進。16年度には延べ約2900人が行った。

 セキュリティー面を確保した上で、通信を介して、オフィスにいるのと同じ作業環境を自宅の端末にも提供する「モバイルワーク」を一般化。人事部の益満博子課長は「テレワークでも生産性を維持できると実証することが第一歩。管理職が率先してリモートマネジメントすることが制度の普及につながる」と話す。

 オフィス家具大手の岡村製作所(横浜市西区)も、都内のオフィスに勤務する販売やマーケティング部門などの約100人が参加。同社は「テレワークでオフィスのありようがどう変わるかは、本業に直結する。参加することはニーズ把握にもつながる」と前向きだ。

 テレワーク用のサテライトオフィスを展開するのは、東京急行電鉄(東京都渋谷区)。昨年5月から国内初の法人向けのサテライトオフィス事業に乗り出し、渋谷やたまプラーザなど主要駅から徒歩圏内に6オフィスを開設した。最大規模の横浜駅東口のサテライトオフィスには、デスクのほか、必要な事務機器がそろう。現在約70社の3万人が登録。2~3時間の短時間を中心に、月4~5千人が利用しているという。

 この日、サテライトオフィスを利用した同社広報部の加藤千咲さん(27)は「朝、メールの処理などでここを利用して出社すると、すぐに動き出せる。時間を有効活用でき、残業時間も減った」と話す。

 高度なセキュリティーが求められる金融機関でも模索が始まっている。横浜銀行は2月から本部の企画部門の約20人を対象に在宅勤務を試行。業務の効率化が主眼で、「電話や不意の打ち合わせが入らず集中できる」とおおむね好評という。来年度以降の本格導入を見据えるが、担当者は顧客情報の保護や機密保全の担保が不可欠とし、「リスクを見極め、テレワークでの業務範囲を確定させていく」と説明する。

 育児と介護の両立に直面した経験からテレワークの導入に尽力した電気設備工事の向洋電機土木(横浜市南区)の横澤昌典広報部長(45)は、自身も体調を崩し、テレワークの有用性を実感した。体調の良い日に病院や自宅で、貸与されたパソコンを開いて資料などを作成。「テレワークで雇用が守られ、職場と同一の仕事もできて、会社にも家族にも迷惑を掛けずに済んだ」。一方で「テレワーク・デイを契機に機運が高まるのはいいことだが、導入そのものが目的では定着しない」とも指摘している。


東急電鉄が横浜駅東口で運営する法人向けのテレワーク用オフィス=横浜市神奈川区
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