バリエーションの増加や保護者の高級志向などを背景に、活況を呈すランドセル市場。目当てのランドセルを入手する「ラン活(ランドセル活動)」の時期は年々早まっており、横浜市内の百貨店では3月からランドセルの品ぞろえを強化している。多様な色やデザイン、高級ブランドなど、多くのバリエーションがそろう中で親子の心をつかむランドセルは-。

そごう横浜店(横浜市西区)と横浜高島屋(同)では、昨年は3月末から4月に設置したランドセル売り場の展開を前倒しした。今年は4月末からの大型連休が第1弾のピークとなることを見込む。
両店とも少子化で大幅に売り上げ個数は増えないと見込むが、こだわりの商品を選ぶ消費者が多く単価は上昇。7~8万円台の商品を中心に、10万円超の商品も店頭に並ぶ。親子で来店して下見をし、あらためて3世代で来店して祖父母がお祝いとして支払うケースが多いという。
そごう横浜店では、3月19日に売り場を開設。今年は商品の納品が10月以降になる場合は10%の消費税がかかるため、同店担当者は「お客さまの動機としても増税前に購入したいという思いがあるのでは」と商戦前倒しを予測する。
男子にはスポーツブランドの支持が根強く、女子は赤やビビッドピンクのほかネイビーも人気。また必要な教科書だけを持ち帰り、その他は置いて帰る「置き勉」を認める小学校も増加しており、教材の代わりに体育用品や水筒などを収納できるマチの大きなランドセルも注目されているという。
3月27日から売り場を展開する横浜高島屋では、数量限定品を中心に注目が集まる。同店開店60周年を記念して相模鉄道とコラボレーションし、新型車両をモチーフにしたランドセルは早くも完売間近。横浜DeNAベイスターズ公認モデルにも問い合わせが多いという。
京都のブランド「SOU・SOU」とコラボした商品は、2020年から新学習指導要領でタブレット教育が開始されることを見込み、タブレットケースがセットになっていることも特徴だ。同店の担当者は「どのメーカーのランドセルも機能は高く、装飾も洗練されている」と話す。
両店の店頭では「百貨店ランドセルアドバイザー」の資格を持つ専門販売員が購入をサポートする。素材や大きさなどランドセル選び全般の相談に乗ってもらうことができるといい、6年間使い続けるものだからこそ、親子の納得感が大事だという。