横須賀市・津久井浜にあるホテルが今春、本格的なリゾートホテルに生まれ変わる。新オーナーの下、内外装ともエーゲ海のホテルを彷彿(ほうふつ)とさせる白壁に改め、サービスも一新する。眼前の海では5月、ウインドサーフィンのワールドカップ(W杯)が2年連続で開かれており、3回目となる今年の大会は新たな装いで迎える予定だ。
1月末で閉館して改修されるのは、築32年の「三浦シーサイドホテル」。鉄筋3階建て、延べ床面積約1700平方メートルに20室ある。
市内の自動車学校が1987年に合宿免許用の宿舎として開業し、別の業者が一時運営した。元のオーナーに戻り、おととしからW杯の大会本部としても利用されてきた。
そのホテルを購入したのは、サングルーブ社(本社・横浜市)。昨秋に3カ月間、旧オーナーから運営を任され、ネット上の販売戦略などを見直したところ、稼働率が急上昇。数億円の改装費をかけても、採算が見込める手応えを得たという。
エーゲ海の観光地・ミコノス島をイメージし、「ミコノスリゾート・三浦」に名称を変更。神戸ビーフ専門の焼き肉店の経営ノウハウを持つ「住建情報センター」(横浜市都筑区)などと共同で運営する。
内装、外観ともしっくいの塗り壁とし、炭化コルクや天然石、無垢(むく)材といった自然素材をふんだんに活用。白い洞窟の中にいるような客室も用意する。
客室までペットを同伴でき、屋上にはドッグランやスパバス、ビアガーデンなどを設置。レストランでは、神戸ビーフと三浦半島の地元野菜を使った料理を提供する予定。ディナー込みで1泊1万5千円前後と見込む。
地元団体・業者と連携し、三浦半島や津久井の新鮮な野菜や果物、魚介類を提供するマルシェ(市場)を駐車場で月1回開くことも検討している。
サングルーブ社の中西教将社長は「県内ナンバーワンのインスタ映えするホテルを目指す。宿泊者には三浦半島を存分に楽しんでもらいたい。津久井浜一帯は良い意味で未開発なので、その起爆剤にもなりたい」としている。