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最古の味、発泡ワインに 川崎の禅寺丸柿保存会が29日発売へ

経済 | 神奈川新聞 | 2019年1月12日(土) 17:00

禅寺丸柿スパークリングワインのラベルをデザインした安井さん(左端)と飯草会長(中央左)ら保存会幹部=川崎市役所
禅寺丸柿スパークリングワインのラベルをデザインした安井さん(左端)と飯草会長(中央左)ら保存会幹部=川崎市役所

 川崎市麻生区で約800年前に発見され、日本最古の甘柿とされる禅寺丸柿を使った「スパークリングワイン」が完成し、29日に発売される。和光大学の学生がラベルのデザインを担当。製造する柿生禅寺丸柿保存会の飯草康男会長(68)は「若い人にも、伝統ある禅寺丸柿を知ってもらうきっかけになれば」と期待している。 

 1995年に結成された同会は、JAセレサ川崎の協力で、97年に同柿を使ったワインの販売を開始。しかし、購入するのはシニア層が多く、若者への浸透を期して、4年前から模索してきた構想がスパークリングワインだった。

 商品化に向けて保存会が頭を悩ましたのが、ラベルのデザインだった。保存会に高額の外注費を負担する余裕はなく、資金をかけずに若者に響く内容とするため、かねて交流のあった和光大に協力を打診。快諾した大学側は、学生に呼び掛けてコンテストを行うことにした。

 採用されたのは、3年の安井萌々香さん(21)の作品で、和紙のような手触りの藍色の紙に女性が赤い柿を持っている姿をデザインした。安井さんは「若者を引きつけ、それでいて伝統を感じられるようにした。お祝いの席などの乾杯に使われることも多いと思うので、高級感を出すようにした」と話す。

 区内に残る1333本の柿の木の大半は高齢者宅にあり、昨秋の収穫には安井さんら同大の学生も加わった。酷暑や台風で収穫量が心配されたものの、結果的には「例年になく豊作だったので、スパークリングワインに十分な量を回すことができた」(飯草会長)。

 昨年12月21日には完成したばかりのスパークリングワインを手に、福田紀彦市長や黒岩祐治知事を訪問、試飲してもらい好評を得たという。

 スパークリングワインはアルコール度数10%、500ミリリットル瓶で3300本を製造。通常の柿ワイン(720ミリリットル、アルコール度数7%)も4200本を製造し販売している。ともに1本1700円(税込み)で、市内の酒店のほか、JAセレサ川崎の大型農産物直売所「セレサモス」宮前店と麻生店で販売。問い合わせは、セレサモス麻生店電話044(989)5311。

禅寺丸柿 川崎市麻生区の王禅寺の裏山で1214年に発見されたとされる。小粒で種子は多いが甘みが強いのが特徴。生産量が多いことから「柿生」の地名が生まれたとされる。2007年に同寺の原木など7本が国の登録記念物に指定されている。

 
 

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