アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が終わり、横浜市内のホテルに国際会議をもてなした実績を商機につなげようという動きが出てきた。各国首脳に振る舞った料理をさっそく特別メニューとして提供するところも。会議参加者による利用が伸びなかったとの声もあるが、期間中の直接的な収支以上の効果に期待をつなぐ。
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル(西区みなとみらい)は23日、「APEC開催記念スペシャルメニュー」の提供を始める。同ホテルで非公開で行われた各国首脳らの昼食会(14日)の料理の一部を再現。三浦産地鶏と地元野菜をアレンジしたサラダ、子羊肉のメーン料理、デザートで構成する。足柄産牛乳を使ったミルク杏仁などのデザートにはサプライズ演出も施すという。
APEC会場のパシフィコ横浜のすぐ隣の立地。担当者は「旬のうちに話題性を提供したい」と意気込む。12月22日までの限定で、価格は1万円。
周辺のホテルは貸し切り状態になった上、厳重な警戒態勢が敷かれた。会議関係者の利用は期待したほどではなかったとの声も。
どのホテルも期間中の収支は公表していないが、唯一、株式を上場しているホテルニューグランド(中区山下町)はAPEC終了直後の18日、2010年11月期の業績予想について、黒字予想だった営業損益が赤字になると下方修正した。
開示した要因の一つが「11月に開催された国際会議」。担当者は「関係者による宿泊や宴会の利用が予想していたほどではなかった。本来は繁忙期である一般の婚礼も低調だった」と説明する。
最終高級実務者会合の出席者を招いた昼食会(8日)会場となるなど「国を挙げての重要な会議に携われたことは誇り」と担当者。「横浜の知名度向上と集客につながれば」と今後に期待していた。
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