百貨店業界で歳暮商戦が本格化する。そごう横浜店が3日にギフトセンターを開設するほか、県内他店もおおむね上旬までに商戦をスタートさせる。各店とも食の安全・安心や環境、希少性、上質感などをキーワードにした商品展開。個人消費の低迷により苦戦が続く百貨店業界だが、歳暮商戦を回復への足掛かりとしたい考えだ。
「商品開発、心のこもったサービス、お客さまに満足していただけるおもてなしが重要」。そごう横浜店の波多野義秋店長は、ギフトセンター開設に先立つ2日の決起集会で約80人の従業員を前に力を込めた。
そごう・西武はプライベートブランド「食源探訪」を前面に打ち出す戦略。昔ながらの製法で造ったしょうゆのセットや、そのしょうゆを使った焼き豚、すき焼きセットなどをそろえた。最近はギフトを自宅用に購入するケースも増えていることから、安くまとめ買いできる商品も充実させた。
京急百貨店は11日にギフトセンターを立ち上げる。県内の名産品32種類の中から自由に組み合わせが可能な「かながわ個箱」をはじめ、約1500点を並べる。7日には得意客を対象にギフトの試食会を初開催する。
先行して先月26日に立ち上げた横浜高島屋。「日本に生まれた、幸福」をキャッチコピーにバイヤーが厳選した各地のコメや、ちりめん、漬物といった「ご飯のおとも」をアピールする。そのほか、高齢者や少人数家族向けに少量・小分けの食品も多数用意。送料無料ギフトは1200点とした。
県百貨店協会によると、県内加盟店の売上高は9月まで31カ月連続で前年を下回っている。ただ秋冬衣料品も動きだし、やや明るい兆しが見えつつある中で迎えた歳暮商戦。「下半期最大のイベント。浮上のための商機としたい」(横浜高島屋)と意気込んでいる。
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