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地の小麦でパン作り、農家や事業者と連携しパン店奮闘中/横須賀

経済 | 神奈川新聞 | 2010年10月11日(月) 23:09

小麦を栽培する予定の畑に立つ(左から)森さん、永野さん、横須賀軽金の関係者=横須賀市林
小麦を栽培する予定の畑に立つ(左から)森さん、永野さん、横須賀軽金の関係者=横須賀市林

横須賀市内のパン店が、地元産の小麦を使ったパン作りに奮闘している。農家や、食品資源リサイクル機器の販売などを手掛ける事業者と連携。店舗の食品残渣(ざんさ)からなる堆肥(たいひ)を使って小麦栽培に挑む。収穫量はまだ少なく一部商品に使用できる程度だが、小麦自給率の向上と循環型社会の実現に向け3者がスクラムを組む。

パン店は「カフェ・ド・クルー」(同市根岸町)。運営するモリ・ワールドの森柾人専務が地元産小麦の可能性を探りだしたのは2008年。三浦市産の小麦を使う地元同業者と知り合ったのがきっかけだった。

折しも前年、オーストラリアでの不作などを受けて価格が高騰。政府による価格改定が行われた。「パン屋なのに小麦について知らないのはまずい。全部は無理としても自分で調達する手段を考えなくてはと思った」

農地の購入を考えたものの農地法の壁が立ちはだかり断念。横須賀市林で多品種栽培を手掛ける永野直彦さん、優子さん夫妻が小麦を作っていることを知り09年、永野さんから購入した小麦全粒粉で作ったメロンパンを発売するに至った。

「国産小麦は輸入品と比べはるかに値段は高いが、甘みが強い」と森さん。製粉の難しさもあり、いつも同じ状態のパンができるとは限らないが「少しでも取扱商品を増やしていきたい」と意気込む。

今夏には食品資源リサイクル機器を「カフェ・ド・クルー」敷地の一角に設置した。販売元の「横須賀軽金」(同市佐原)は処理済みの食品残渣を堆肥にして農家に無償提供する取り組みを続けており、店の残渣も約500キロの堆肥に生まれ変わった。

農家の永野さんは同店向けに約2千平方メートルの耕作放棄地を活用、昨年の3倍の量に相当する小麦の生産を目指す。今月にも堆肥を施し、パンに適しているとされる小麦「ユメシホウ」の種をまく予定だ。永野さんも食品リサイクルに関心を寄せており「何としても成功させ、後に続く人が現れてくれれば」と話す。

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