
独自技術で電気自動車(EV)の普及を目指す慶応大発ベンチャー企業「シムドライブ」(社長・清水浩慶大教授)は、量産化を前提とした試作2号車の共同開発について、10月から参加企業の募集を始める。国内外30社をめどに参加を募り、2011年1月から共同開発に着手。本社を移すかわさき新産業創造センター(KBIC、川崎市幸区)を拠点に、約1年をかけて完成させる。
今年1月にスタートした試作1号車の共同開発には、いすゞ自動車や三菱自動車、パイオニア、IHI、東京電力など34社・団体が参加。11年3月末の完成を目指している。
2号車の共同開発も1号車と同様の枠組みで、シムドライブはタイヤホイールに小型モーターを組み込んだ「インホイールモーター」など基幹技術を提供。参加企業はそれぞれの得意技術やノウハウを持ち寄って仕様を決定し、設計図面を作り上げて試作車を完成させる。
インホイールモーター方式はエネルギー効率が高く、1回の充電で走れる距離は従来のEVの2倍に相当する300キロを目指している。ガソリン車を改造したコンバージョン(改造)EVにも活用できるという。
参加企業は1社あたり2千万円の共同研究費を負担するが、シムドライブのEVが早期に普及すれば自社技術が国際標準となる可能性もあることがメリットになっている。
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