ミドリムシ由来の油脂から航空機向けのバイオ燃料を製造実証する国内初のプラントの起工式が1日、横浜市鶴見区で開かれた。燃料の実現を目指す全日本空輸やいすゞ自動車などが参画するプロジェクトで、プラントは計画を主導するバイオ企業ユーグレナ(東京都)が建設する。同社の出雲充社長は式後、「2018年10月末にしっかり竣工(しゅんこう)し、速やかに全力運転に持っていく」と述べた。
製造を目指すのは、航空機向けのバイオジェット燃料や大型車両向けのバイオディーゼル燃料など。航空・運輸業界の脱化石資源と低炭素社会の推進に向け期待の次世代燃料といい、プロジェクトでは20年の実用化を目標に掲げる。航空機向けのバイオ燃料による商業フライトが実現すれば、国内初という。
起工式は、横浜市の誘致で決まった同区の旭硝子・京浜工場内の建設予定地で開催。建設にあたる千代田化工建設(同市西区)の幹部なども出席した。
出雲社長は式後、「鶴見区の自社の研究拠点や羽田空港などに程近く、これ以上ない最高の環境。成功への気持ちも強くした」と説明。18年10月末の完成後の試運転を経て、19年前半の稼働を目指す。1日当たり生産量は5バレル(約800リットル)、年産は125キロリットルの計画という。