県は9日発表した2010年度当初予算案に、総額2290億円の緊急経済対策を盛り込んだ。好転しない雇用情勢を踏まえ、職の拡大や職能訓練などに前年度当初比80億円増となる305億円を充てる。一方で中小企業対策費は、高度化・集団化の需要が出なかったとして45億円減って60億円となった。電気自動車(EV)など環境関連産業の育成支援も実施する。
雇用対策では、国のふるさと雇用再生特別基金などを利用した仕事の創出に138億円を盛り込んだ。基金は11年度までだが、悪化する雇用情勢に「10年度が需要のピーク」(商工労働部)とみて財源を大幅に増やした。
職能訓練では介護福祉士や保育士の養成などに12億円を計上した。さらに秦野市内に高等職業技術校を再編した「西部方面職業技術校」を計画し、設計費を計上した。11年度の着工、13年度の開校を目指す。
中小企業支援額は、地元企業の団地化を促す「高度化資金」の利用がないため前年度から減らす。資金繰りを支える制度融資向けには預託資金借り入れの利息助成に10億円、県信用保証協会への保証料経費助成に12億円を計上した。制度融資の規模は前年度並みの2600億円を確保する。
成長分野の支援策には41億円を充てる。介護拠点の整備、タクシー業界と提携したEV導入、産業誘致施策「インベスト神奈川」と入れ替える新たな誘致策の費用などを盛り込んだ。
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