
家電販売のノジマ(横浜市西区)が9日発表した2017年3月期連結決算は、営業利益が前年度比3・4%増の150億9100万円と、4期連続で過去最高を更新した。15年に買収した主要子会社ITX(東京都)の携帯販売などは苦戦したが、高精細な「4K」対応のテレビをはじめとしたデジタル家電販売が好調で、利益を押し上げた。
売上高は、5・0%減の4320億6400万円。事業別は、スマートフォン販売などのキャリアショップ運営事業が販売台数の落ち込みから抜け出せず、9・1%減の2458億500万円。家電販売は、エアコンや洗濯機、理美容家電も堅調で1・0%増の1855億2700万円で、セグメント利益も23・4%増の102億7800万円と好調が目立った。
純利益は、前期にITXの繰り延べ税金資産を計上した反動が出て、23・2%減の101億5800万円に。同日会見した野島廣司社長は「前期が一時的に大きな増益となったもので当期が正常な値」とした。
18年3月期の業績予想は、ノジマ本体の伸長などを織り込み、売上高を12・0%増の4840億円、営業利益を4・0%増の157億円とし、達成すればいずれも過去最高の見通し。
野島社長は「今年度は昨年度以上の投資をし、出店の攻勢を掛ける。業績の予想は保守的にみた」。今年度から自身が社長を兼務するITXについて、「今までの販管費、事業を見直し、整理する」と改革実行を宣言。4月に買収したインターネット接続事業のニフティ(東京都)についても「今後の投資費用をどう確保していけるかなど課題があり、精査が必要。当面は労力が掛かるが、V字回復に持っていく」とした。