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マダイ稚魚放流事業がピンチ、釣り人にPR作戦も/三浦

経済 | 神奈川新聞 | 2009年9月26日(土) 11:29

水産物の稚魚や稚貝の放流を手掛ける県栽培漁業協会(三浦市三崎町城ケ島)が、マダイの稚魚の放流効果の再検証に取りかかる。長年、天然の水産資源を維持・増大する役割を果たしてきた同協会だが、県の補助金がカットされるなど運営は苦しく、従来規模の放流を継続することが難しくなってきたという。そこで放流効果をあらためて検証し、恩恵を受けている釣り人たちに同協会の役割を理解してもらうことで協力金の増収につなげる狙い。

同協会は1986年度から毎年度、相模湾に全長6~8センチのマダイの稚魚を80万~100万匹を放流してきた。同協会によると、県内のマダイ漁獲量のうち、放流魚の割合は4~6割に達するという。

マダイの稚魚を100万匹生産するには約2600万円の経費がかかるが、同協会の基本財産の一部である栽培漁業推進基金と県の補助金、漁業者負担金、遊漁船協力金などによって賄われてきた。

しかし、現在約300万円ある県の補助金が、2011年度にはゼロになる見通し。また低金利のため基本財産の運用利率が低く、漁業者の高齢化による負担金の減少など、協会の運営が厳しくなることが予測される。

同協会の今井利為専務理事は「現状の資源量を確保するために今の放流規模を維持する必要があるが、このままでは減らさざるを得ない状況になり得る」と危機感を募らせる。

同協会によると、遊漁者が釣り上げるマダイの量は年間約50トン。漁業者の漁獲量約40トンより多いことから遊漁者からも応分の負担を求めようと、01年度から「マダイ遊漁者協力金制度」を始めた。

遊漁船に乗って釣りを行う場合、任意で1回1人当たり200円を出してもらい、稚魚の生産経費に充てていた。当初は年間約1200万円の協力が得られたものの年々低下し、現在は600万円弱に半減した。

そこで、釣り人たちに同協会の役割を理解してもらおうと9月上旬、標識を取り付けたマダイの稚魚2万匹を東京湾に放流した。釣り人に放流の効果を訴えかけるとともに、千葉県の栽培漁業関係機関と共同で放流効果を調査し、釣り人の協力が得られるよう問題点や改善方法を検討するという。

今井専務理事は「マダイの稚魚の放流による効果を、釣り人と漁業者に再認識してもらいたい」と効果に期待している。

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