相模鉄道(本社・横浜市西区)の分社化に伴う社員の転籍をめぐり、同社と相模鉄道労働組合の労使間交渉が妥結せず、組合側は26日、電車・バスの全便で始発からストライキを行った。ストは午前6時20分に解除され、電車、バスとも同7時前には運行を開始したが、電車52本とバス189本が運休し、約5万5千人に影響が出た。朝のラッシュ時間前だったことから、大きな混乱はなかったが、予定を大幅に狂わされた利用者からは怒りの声が上がった。
同社が公表した鉄道事業分社化計画をめぐり、労組側が反発し、終日ストを構えたが、スト開始後の交渉を受け、労組側がストを解除した。県内の交通ストライキは2004年3月28日の相模鉄道以来、5年ぶり。
市民生活を支える大動脈が約2時間不通となり、二俣川駅では午前6時半ごろ、閉鎖されたシャッターの前に、早期のスト解除を期待する利用客約500人が詰め掛けた。状況を説明する駅員が不在だったことから、「駅員はいないのか」と声を上げる人もおり、一時騒然とした雰囲気に。大和駅では運行開始のめどが立たないことにいらだちを募らせた一部の利用客が「タクシー料金を払え」「補償はするのだろうな」などと駅員に詰め寄る場面もあった。
横浜市内のパート従業員松田明子さん(45)は、2人の子供を連れて飛行機で仙台市内に里帰りするため二俣川駅に向かった。「バスが来ないので自宅から駅まで歩いたが、駅に着いたら電車も運休でうんざり。労使交渉が大事なのは分かるが、利用者に迷惑をかけないでほしい」と憤っていた。
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