日産自動車のカルロス・ゴーン社長は23日、株主総会後の会見で、2010年から順次量産化する電気自動車(EV)について、小型車とバンなど3車種を投入する方針を明らかにした。高額な電池をリース方式にするで車両価格を安くする方式も検討。「同クラスのガソリン車とほぼ同等にしたい」との意向を示した。
3車種は小型車とバンのほか、小型車よりさらに小さい「エントリーカー」を想定している。このうち10年に日米での発売が決まっている小型車は、横浜で8月2日に行う本社移転セレモニーで初公開する。
ゴーン社長はEVの価格設定について「(二酸化炭素を排出しない)ゼロエミッションであるというプレミアは価格に加えない」と説明。国などの補助金が活用できる前提で、販売価格をガソリン車並みに抑える考えを示した。維持費でみれば「ガソリン代より大幅に安い電気料金で済むため利用者にメリットになる」と強調した。
今夏発表する小型車は1回の充電で約160キロの走行が可能。バッテリーとインバーターは座間工場、モーターは横浜工場でそれぞれ生産し、追浜工場で組み立てる。年間5万台の生産能力を備える。
会見では、12年に米国スマーナ工場(テネシー州)でも、年間10万台以上のEVを生産することも明らかにした。バッテリーやインバーターも現地で生産する。
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