2020年の東京五輪・パラリンピックの開催が決定し、神奈川にも国内外から大勢の観光客が訪れることが見込まれる中、産業観光の魅力や今後の展望を探るシンポジウムが25日、横浜市中区のワークピア横浜で開かれた。同日の「産業観光の日」に合わせて、県、横浜市、川崎市と民間事業者などでつくる「京浜臨海部産業観光推進協議会」(李宏道会長)が初めて企画、約50人が参加した。黒岩祐治知事も駆け付け、産業観光の機運盛り上げを目指し、「キックオフ宣言」を行った。
冒頭、李会長があいさつ。「東京五輪まであと7年しかない。学ぶ、見る、体験するといった産業観光のコンテンツを一つでも増やし、国内外から多くのお客さんを招きたい」と結束を呼び掛けた。
日本観光振興協会の丁野朗常務理事・総合調査研究所長が「産業観光の意義と今後のあり方」と題して講演。産業観光とは自然、産業、芸能など地域の資源を見抜き、「編集」することだと定義した。
さらに、産業観光の意義は事業収益、企業ブランドの価値向上、地域づくりや社会貢献だとした上で、多彩な産業が集積し、地域に根付く「なりわい(=商業集積)」のネットワーク化を進めている小田原市の事例などを紹介。
「(旅行者を受け入れる地域が企画、近年人気のある)着地型観光は、地域の総合力が試される。多様な事業者と地域住民がつながり、顧客のニーズとともに成長する産業観光モデルを生み出すべきだ」などと語った。
黒岩知事は「東京五輪が開催される2020年に、進化した神奈川の産業観光を発信できるか。この7年が新たな勝負だ」と強調。県も積極的に取り組む考えを表明した。
2001年10月25、26日に「産業観光サミットin愛知・名古屋」が開催されたことを記念し、10月25日は「産業観光の日」と定められた。
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