焼き肉やすき焼きのたれなどでシェアトップを誇るエバラ食品工業が、横浜市西区北幸にある本社をみなとみらい21(MM21)地区に移転することが8日、関係者への取材で分かった。本社のほか、同市内にあるテクニカルセンターとグループ会社4社を、昨年9月に閉店した商業施設「横浜ジャックモール」跡地西側で建設中のオフィスビルに移転する。ビルのワンフロアに集約することで、グループの連携強化や顧客の利便性向上を図る。移転は2014年5月上旬の予定という。
同社は横浜が発祥の地。1958年5月、前身の荏原食品株式会社が設立され、68年7月、現在の商号に変更。当時は神奈川区に本社を置き、86年5月に現在の西区北幸2丁目のビルへ移転した。
新たな移転先は、清水建設が建設中の大規模免震オフィスビル。MM21地区の46街区に位置し、地上14階建て。14年4月の完成を目指している。同ビルには、ソフト開発会社のNTTソフトウェア(東京都港区)の進出も決まっている。
エバラは、最上階の14階(約5600平方メートル)に入居。本社とテクニカルセンター、グループ会社の横浜エージェンシー、エバラ物流、サンリバティー横浜、エバラCJフレッシュフーズの従業員を合わせて、計約350人が働くことになる。
関係者によると、この先20年を見据え、ブランド価値を一層、高めていくことや、災害時の従業員の安全確保、事業継続性の強化のために、グループ会社を含めワンフロアに集約することが最適と判断、横浜市内で物件を探していたという。
MM21地区は、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転により利便性が高まったほか、人口が増加傾向にあり企業の進出も相次ぐなど、エリアとしての発展が見込まれることも要因となったようだ。
エバラはジャスダック上場会社。13年3月期(連結)の売上高は484億2700万円、本業のもうけを示す営業利益は14億1200万円、純利益は7億3200万円。
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