川崎市と千代田化工建設(横浜市西区)は28日、川崎市臨海部に世界初となる商業用水素発電所を建設する計画などを明らかにした。2015年の稼働を目指している。両者は同日、究極のクリーンエネルギーとされる水素を使った低炭素社会の実現に向けた連携・協力包括協定を締結した。
千代田化工建設はこれまで困難だった水素の常温・常圧での大量貯蔵・長距離輸送技術の開発に成功。協定では、この技術を使って(1)水素を臨海部のコンビナートで受け入れ、地域水素ネットワークを構築(2)二酸化炭素(CO2)を排出しない水素発電など水素のエネルギーへの利用(3)再生可能エネルギーで製造する水素の活用-などの取り組みを推進するとしている。
千代田化工建設は水素の海外調達から輸送、供給までのビジネスモデルを構築する。川崎市は水素発電所整備支援に向け、国や関係機関との協議調整や他企業と連携しての早期事業化を支援する。課題解決に向け、有識者や臨海部の企業による「(仮称)川崎臨海部水素ネットワーク協議会」を8月に設置する。
これまで水素をトルエンに混合してできた液体から、水素を再び取り出すことが難しかった。しかし、同社は新たに開発した触媒を使って、この液体から再び水素を高効率で取り出すことに成功。この結果、水素の常温・常圧での大量長期貯蔵や長距離輸送が可能になった。
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