神奈川トヨタ自動車を中核とするKTグループ(横浜市神奈川区)は19日、グループ本社で情報通信技術(ICT)を駆使して業務の効率化や顧客の満足度を高める先端技術の展示会を開いた。生産年齢人口の減少などで働き手が限られていく中、同グループが営業活動の促進に必須と感じる十数種類の技術を展示。同グループが大学と連携して開発に取り組んだモデルも含まれ、訪れた企業関係者らに実用化を働きかける「提案型ディーラー」(上野健彦会長)をアピールした。
膨大な顧客・商品などの情報を一括で集約し、来店時に顧客ニーズを分析した上で、整備から買い換えに至るまで最適な提案を実現する「万能手帳」。店舗と整備工場を光ファイバーでつなぎ、超小型高精細カメラを活用してリアルタイムで整備の進捗(ちょく)状況を確認できるシステム。その場にいなくても車の破損部位に触れた感覚が伝わる「遠隔触診技術」…。
会場には、営業や整備に携わる従業員が、業務の効率化に必要と感じているツールやシステムを展示。「見える化」の技術が実用化されれば、顧客が整備士とリアルタイムでやり取りしたり、待ち時間のストレスを低減できたりし、ユーザー側のメリットも大きい。それぞれの技術を融合することで用途が広がる可能性も秘める。
上野会長は「ベースの技術は出来上がっており、あと一歩の力添えで成就できるものが大半」と話し、価格面を含めた実用化に向け、訪れた30の企業関係者らに協力を呼びかけた。
営業スタッフが顧客とのコミュニケーションに専念できる態勢づくりが主眼で、上野会長は「人材が限られる中、こうした技術なしに生産性は向上しない。形を見せることが大事で、いつでも導入できるような店舗構造を整えていきたい」と語った。