東京汽船は15日、2014年3月期連結決算の最終利益予想を前期比7・6%減の5億6700万円としたと発表した。円安を背景に燃料油価格が上昇しており、利益面への影響が避けられないと判断した。
売上高予想は1・6%減の125億4400万円となり、減収減益となる見通しだ。主力の曳船(えいせん)(引き船)事業は横浜・川崎地区で入出港船舶の大多数を占めるコンテナ船の隻数が減少。日本車を輸出する自動車船は「自動車メーカーが円安で生産拠点を国内に回帰させる動きがあるが、実際に輸出されるまでには時間がかかる」(伊藤英津生常務)との見通しを示した。
一方、景気回復効果による消費者マインドの改善で、横須賀・久里浜と千葉・金谷を結ぶカーフェリー部門などの旅客船事業は乗降客の増加を見込む。横浜港での観光船部門は東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転の開始による集客効果も加わる見通し。
船舶の燃料に使われるA重油の価格が上昇しており、14年3月期の燃料費は前期に比べて1億3500万円の増加を見込んでいる。
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