川崎市産業振興財団は14日、同市川崎区殿町3丁目地区につくられる「(仮称)ものづくりナノ医療イノベーションセンター」整備事業について、千代田化工建設(横浜市西区)が落札したと発表した。落札額は32億8450万円(税抜き)。総合評価一般競争入札に2社から応募があり、同事業の技術提案審査委員会での審査の結果、決まった。20日に本契約を締結し、2014年秋ごろ完成予定で、15年3月末までの運営開始を目指している。
千代田化工建設の提案によると、ガラス張りの壁を多用して開かれた施設をイメージ。施設中央には研究者同士の交流できるエリアを設け、研究施設としての動線やメンテナンス性を確保したという。
学識経験者や施設運営者などでつくる同委員会は、会議室を各階に設置している点や、異分野の研究者の生産的な交流を促している点、動物実験施設の配置などを評価し、入札価格も含めて判断した。
同センターはナノテクノロジー(超微細技術)を使いがんなどの難病治療の医薬品開発や治療機器などを開発するのが主な目的。市産業振興財団を中心に東大や企業など産学官連携による提案が、3月に国の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」に採択された。施設規模は敷地面積約8千平方メートルで、地上4階建て延べ床面積約1万1千平方メートル。
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