JVCケンウッド28億円為替差損、3月期連結 円安で主力製品販売低迷
経済 | 神奈川新聞 | 2013年4月26日(金) 22:30
JVCケンウッドが26日発表した2013年3月期の連結決算は、対米ドルの円安で約28億円の為替差損が発生し、経常利益が前期比51・6%減の31億円、純利益が同81・0%減の11億円だった。主力となるカーナビやカーステレオなどのカーエレクトロニクス事業の販売が欧州や国内で低迷したことなども影響した。
同社は海外での生産比率が9割近くとなっており、製品の多くを米ドル建てで仕入れている。そのため、1円円安が進むと年間で約2億円の営業減益要因になるという。また、繰り延べ税金資産の計上が減ったことなどが影響し、法人税などが前期比で21億円増加したことも響いた。
主力のカーエレクトロニクス事業は、欧州経済の冷え込みで欧州での販売が減少したほか、国内でも純正品との販売競争激化などで伸び悩んだ。また、日中関係の悪化により、中国での無線機器の販売が減少したことなどが響き、全体としての売上高は同4・5%減の3065億円となった。
14年3月期は為替変動リスクを軽減したことに加え、販路拡大に努めてきた業務用のビデオカメラなどのAV機器の販売が伸びるとみて、売上高は同1・1%増の3100億円、経常利益は同77・1%増の55億円、純利益は同161・8%増の30億円の増収増益を予想している。
同社の江口祥一郎社長は「欧州市場では、ホーム&モバイルエレクトロニクス事業などを採算性を重視しながら進めていくが、前期よりも売り上げ拡大が見込める。アジア、北米に比べると回復速度はまだまだだが、慎重に市場動向を踏まえながら攻めていきたい」と述べた。
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