厳しい漁業環境を背景に、みうら漁業協同組合(三浦市)が新たなレジャー事業に乗り出す。ゴールデンウイークが始まる27日、相模湾で初となる海上釣り堀「みうら海王」を三崎漁港(同市三崎)内にオープンさせる。気軽に高級魚釣りを楽しんでもらう体験型事業で、集客を目指す。
二町谷地区の西防波堤脇に、18メートル四方と14メートル四方のいけす計6基を設置。船で沖合に出なくても、女性や子どもたちも手軽に海釣り感覚を楽しめるのが特徴だ。制限の5時間内は釣り放題で、養殖のマダイやイサキ、カンパチなどの高級魚を狙える。運営は千葉県の施設で実績のある「東京ベイリゾート」が行う。
今後、地元の漁業者が捕ったアジやサバなどを放流した低価格で、短時間の体験コースも設ける予定。将来的には釣った魚を調理して食べられる施設を整備する構想もある。両コースを合わせて来場者は年間3万3千人が目標だ。
県東部漁港事務所によると、漁港内に釣り堀用のいけすを設置するのは珍しい。水揚げ量の減少や日本人の魚離れなどによる消費の低迷といった逆風を受けて、港の活性化を目指した新事業の展開を決めた。
同漁協の藤村尚参事は「魚価の低下など経営が厳しい中で、海を核にした産業による町おこし『海業(うみぎょう)』の推進として取り組む。魚に親しんでもらうとともに、三崎地域の活性化につながれば」と話している。
事前予約制。午前7時集合で、体験時間は同8時~午後1時。料金は男性1万3650円、女性1万500円、小学生以下7350円。天候によって中止の場合もある。予約や問い合わせは東京ベイリゾート電話046(880)0505。
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