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急速な円安に中小企業で懸念の声、部品調達で利益圧迫も/神奈川

経済 | 神奈川新聞 | 2013年4月11日(木) 23:17

急速な円安ドル高に懸念が広がる中小企業=横浜市内
急速な円安ドル高に懸念が広がる中小企業=横浜市内

円安ドル高が急速に進み、1ドル=100円をうかがう動きとなっている。輸出企業の比率が高い県内は好材料と受け止める声がある一方、海外から素材や部品を調達してきた企業には「急速な円安は逆に利益を圧迫しかねない」との懸念の声が上がる。北朝鮮による中距離弾道ミサイルの発射など不測の事態が為替に深刻な影響を与えるとみる専門家もいる。

円高が続いた時期に海外に部品を発注したメーカーが、円安で国内での生産に回帰するケースが出ている。「県内でもかつて海外で作っていたものを受注した町工場があると聞くが、中小企業にとって円安の恩恵は限定的ではないか」。メーカー向けに主に金属部品を扱う商社「エムエスパートナーズ」(横浜市鶴見区)の伊藤昌良社長は話す。

長引く円高で、原材料をはじめ素材や部品の多くを海外から調達し、その完成品を輸出するグローバル化が中小企業にも進んでいる。海外に積極展開した県内電機大手のパイオニアやJVCケンウッドなどは急速な円安が業績伸び悩みの一因となっているが、「中小企業もかつてのような円安のメリットは縮小した。急速な円安が収益面の痛手になる場合がある」と伊藤社長はみる。

そうした逆境を乗り切ろうする中小企業も。韓国企業と取引するジョウエツ(横浜市都筑区)は先週、決済をドル建てから円建てに変えた。訪韓をして交渉を終えたばかりの竹内治男社長は「円建てになったことで多少は余裕が出てきそう」と胸をなで下ろす。

韓国の技術を使い工場用や街路灯向けの発光ダイオード(LED)照明を手掛けている。これまで韓国で製品化して輸入してきたが、今後は円建てで輸入した部品などを日本で完成させて「メード・イン・ジャパン」として販路を拡大する考えだ。

竹内社長によると、北朝鮮の一連の動きに対して韓国側は、2010年の韓国哨戒艦沈没事件や延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件当時と比べて冷静さを保っているという。北朝鮮が攻撃を加えるなど不測の事態が起きると為替はどうなるか。浜銀総合研究所の新瀧健一主任研究員は「戦争が起きればドルが急速に買われ、ウォンだけでなく円を含めた東アジア通貨が全面安の展開になるだろう」としている。

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