町工場の職人たちが自作こまで日本一を競う「全日本製造業コマ大戦」が7日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた。合計約200チームが参加した各地区予選を経た16チームが出場。こまは回転すると大きく変形したり、土俵上を逃げ回ったりとさまざまな動きを見せ、観戦者は勝負の一瞬を熱心に見入っていた。会場は県内最大の工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ2013」の一角で、昨年に続き2回目の開催。県内を中心とした中小製造業有志でつくる「心技隊」が主催した。
県勢は2チームが出場。前回優勝の精密切削加工・由紀精密(茅ケ崎市)はあえて軽量のこまで挑み、土俵の縁を周回するように回り続ける設計にした。準決勝で重量級のこまにはじかれて敗れ、3位に。2連覇を目指した大坪正人常務は「理論的に勝つことにこだわった」と唇をかんだ。
切削加工・ダイショウ(茅ケ崎市)や日本コンピュータ開発(東京)など3社でつくる「Team An」は銅タングステンとフッ素樹脂を素材にしたこまで出場。初戦で敗退した。
今回の優勝は、比重が重いタングステンのこまで出場した切削加工・シオン(岐阜県)の「チームシオン」、2位は長野県の異業種交流組織「SWCN信州」だった。
宮城県白石工業高校の生徒は体当たりタイプのこまで出場し、会場から大きな拍手が上がった。心技隊隊長の緑川賢司・大会委員長は「日本のものづくりへの熱い思いを感じた。来年も開催したい」と話した。
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