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JFEエンジニアリングがバイオマス発電本格参入、15年にも稼働/横浜

経済 | 神奈川新聞 | 2012年12月30日(日) 23:00

JFEエンジニアリングは2015年をめどに間伐材などを活用したバイオマス発電事業に本格参入する。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用して導入を検討する企業が急増していることから、同社は都市環境本部(横浜市鶴見区)で受注体制を強化するとともに、モデル発電所を運営することで普及を目指す。

太陽光や風力は天候に左右されるが、バイオマス発電は24時間安定した発電ができる。同社は前身の日本鋼管(NKK)時代から高い燃焼効率の「循環流動層ボイラー」を手掛けている。03年のJFEグループ発足後はJFE環境(同区)が手掛けるリサイクル事業とボイラーを組み合わせた出力10万~20万キロワットのバイオマス発電を提案してきた。

間伐材を活用するための多額の費用が敬遠され、製紙工場などが全国で6プラントを採用した程度で普及には至らなかった。しかし、固定価格買い取り制度の導入で一変。間伐材や林地残材などの未利用木材の買い取り価格が1キロワット時当たり34円(税込み)と高めに設定され、採算性が向上したからだ。

放置されていた山林の間伐材を活用することで資源の有効利用と二酸化炭素(CO2)排出削減など環境負担の軽減が両立できる。さらに円安が進めば化石燃料の輸入価格の値上がりが予想されることで、商社やリース会社、石油元請けなどから問い合わせは急増。以前は年間1、2件程度の問い合わせだったが、商談中の案件は10件に上っている。

同社のボイラーは木質バイオマスをはじめ、廃プラスチックや下水汚泥の乾燥燃料などを混合燃焼できることが特徴。ボイラーの腐食を防ぐ塩素対策を施したことで塩化ビニールが混入しても燃やせる。一つの燃料が不足しても他のもので補いながら発電でき、間伐材と家庭ごみなどを一緒に燃やすことも可能だ。

12、13年度の受注高をいずれも約200億円と想定、生産体制を強化してさらに上積みを狙う。13年度にモデル発電所を2カ所程度着手し、15年度には稼働を始めて間伐材による売電ビジネスを実証する考えだ。

同社はバイオマス発電所の設計・調達・建設から燃料供給サービスまで一貫して対応する。関口真澄常務執行役員は「山間部に発電所を設置することで林業の活性化と雇用の創出にも貢献できる。荒廃する森林を守る意味で国土保全の意味合いもある」と話している。

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