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藤沢の湘南研究所内に
武田薬品などが共同ベンチャー設立 新たな治療薬開発へ

経済 | 神奈川新聞 | 2017年4月7日(金) 02:00

 国内製薬大手の武田薬品工業(大阪市)や官民ファンド・産業革新機構(東京都)などの共同出資で設立された創薬ベンチャー「スコヒアファーマ」が今月から、藤沢市内の武田の湘南研究所内で稼働を始めた。国際的な競争が激しい上、多くの時間やコストを要することから効率化も求められる新薬開発。武田が体制を見直す中で誕生したスコヒアでは、糖尿病や肥満症など8分野の研究や人材を承継し、新たな治療薬の開発を目指す。

 今月から稼働を開始したスコヒアは、早期糖尿病性腎症や高血圧症、肥満症など腎・代謝・循環器領域の8つのプロジェクトと、それらの領域に携わっていた研究者30人余りを武田から承継。プロジェクトは、臨床試験段階が2品目、臨床前や研究段階が6品目があるという。

 同社の奥村洋一社長は「優秀な科学者たちが自らの能力を開花させ、その創造力で疾病に苦しむ患者さんに新しい治療の選択肢を提供していきたい」とコメントを発表した。

 武田は昨夏、グローバルでの競争力向上などの観点からオンコロジー(がん)、消化器系疾患、中枢神経系疾患と3つの重点疾患領域とワクチンに特化し、研究開発体制の変革を進める計画を策定。一方で、これまで取り組んできた新薬候補の研究開発プロジェクトを埋もれさせまいと、スコヒアの設立に至ったという。

 共同出資には武田と武田からの相談に応じた同機構のほか、医薬品卸で武田の国内流通の中核を担うメディパルホールディングス(東京都)が参画した。出資総額は100億円で同機構が70・5%、武田が19・5%、メディパルが10%。

 同機構によると、大手製薬会社の事業戦略の見直しで、創薬ベンチャーを設立し事業や技術の種を引き継ぐ動きは「カーブアウト」と呼ばれ、欧米の製薬業界では珍しくないという。同機構は「国内製薬業界やバイオベンチャー領域で、(組織を転換する上での)新たなビジネスモデルの確立に寄与することを期待している」と説明。

 武田薬品は「当社の湘南研究所がさまざまな英知の集結するリサーチパークとなるための新たな一歩。スコヒアは日本発の創薬ベンチャーとして患者に新たな価値を提供できると確信している」としている。

 
 

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