ワゴン車に乗せた特注の石窯でピザを焼き上げる男性が南足柄市にいる。地元で代々続く足柄茶生産農家だが、ピザ好きが高じて2年前に移動販売を始めた。
「ピザ畑パドレ」という店名で移動販売をするのは兼業農家杉山和男さん(51)。大好きなピザを石窯で味わってほしいと、ワゴン車に収まる大きさの石釜を特別に設計してもらった。内部は鹿児島の溶岩を使い、釜の外にはイタリアの大理石をあしらった。
石窯の温度は400度。焼き上がりは約1分。香ばしくもちもちに仕上がる。一番人気のマルゲリータを含む6種類を提供する。
使う野菜は自家菜園や近くの農家から購入。生地に加えるのは塩と酵母だけとこだわる。自分で育てたバジルは「香りが強くておいしい」と自慢だ。
足柄茶の茶園を営み、茶摘みの季節は限定で「茶ガリータ」を提供。茶臼でひいたお茶を生地に練り込んだ緑のピザ。緑色のジェノバソースを使い、上に粉茶をまぶすという。
2011年の東京電力福島第1原発事故で風評被害を受けた。「本業の茶園に力を入れたいのだが、なかなか市場が回復しない」ことが悩みだ。
Mサイズ800円。ピザ畑パドレ電話090(5212)4550。
【】