
エンジニアリング大手が太陽光発電事業に相次いで参入している。今年7月から電力会社が固定価格で電力を買い取る制度が始まった上、初年度に参入した場合の買い取り価格が1キロワット時当たり42円と事業者側に有利な水準となっていることが背景にある。同事業の運営を通じて、再生可能エネルギー分野での業務拡大と新規技術の事業展開を強化する考えだ。
JFEエンジニアリングは今月2日、太陽光発電による電力供給事業に本格参入すると発表。東日本大震災で被災した宮城県多賀城市など国内6地区にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、発電量は計約4万キロワットを想定。2015年4月までに全量を各地の電力会社に売電する。
メガソーラー建設を計画しているのはJFEグループの遊休地5カ所と北海道地区の計6地区。建設地は13年7月に発電を始める津市を皮切りに、静岡市、多賀城市、岡山県倉敷市、栃木県芳賀町と、地元地権者の協力を得て発電事業を行う北海道釧路地区。
全地区で予想される年間の総発電量は1時間当たり約3900万キロワットとなり、一般家庭の約1万700世帯分の年間電力消費量に相当する。年間約1万8500トンの二酸化炭素(CO2)削減量が期待されるという。
千代田化工建設は今年7月、西部ガスの子会社と共同で新会社を福岡市博多区に設立。12年12月中旬までに、西部ガスグループの九州地区の未利用地3カ所で合計約3700キロワットを発電し売電する計画だ。
日揮は13年5月をめどに、大分市の日産自動車社有地に発電量2万6500キロワットの太陽光発電所を建設、売電する方針を示している。
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