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大磯の水産加工会社、地元漁業活性化へ新商品開発 低利用の地魚で薫製と生ハム/神奈川

経済 | 神奈川新聞 | 2012年10月14日(日) 22:56

大磯港で早朝に水揚げされた地魚をすぐさまさばいて塩漬けにする湘南定置水産加工の平林さん=大磯町西小磯
大磯港で早朝に水揚げされた地魚をすぐさまさばいて塩漬けにする湘南定置水産加工の平林さん=大磯町西小磯

沖合の定置網で一定量が水揚げされるものの、人気や流通の問題で売上高が上がらない地魚を有効活用する取り組みが、大磯で始まった。地元網元が地域の起業家と設立した水産加工会社「湘南定置水産加工」(西小磯)が初の製品「地魚の薫製」(1枚525円)、「地魚の生ハム」(40グラム630円)を開発し販売を始めた。評判は上々で、漁業の6次産業化を図るプロジェクトとして関係者の期待も大きい。

製品に利用したのは、ソウダガツオ、サバ、ワカシ(ブリの幼魚)、イワシなど。これらは、傷みが早く流通が難しかったり、味の評価が低かったり、獲れ過ぎたりして安く買いたたかれていたという。網元「湘南定置」(大磯)の社長で大磯町漁業協同組合代表理事の加藤孝さん(68)と、地元でプロデュース業を営んでいる原大祐さん(34)=西小磯=が、この問題を語り合う中で、ひと手間かけておいしくし、付加価値を加えた製品にしようというアイデアが生まれた。

6月に2人の共同事業として湘南定置水産加工を設立。社長には原さんが就任。挑戦に共鳴した調理師平林聖慈さん(25)=茅ケ崎市東海岸南=をスタッフに迎え、県水産技術センターの指導を得るなどし加工方法を研究した。

ただ、鮮魚に不足しない地域だけに「地元には加工、保存の伝統がほとんどなかった」と原さん。干物、練り物以外で唯一あったのがソウダガツオの塩漬け「塩ウズワ」だったという。この塩漬けの手法と薫製を組み合わせ誕生したのが、「地魚の薫製」(ソウダガツオ、イワシなど)と「地魚の生ハム」(ワカシ、サバなど)だ。

早朝に水揚げされた地魚を朝のうちにさばき、3日から1週間程度、塩漬けにする。水で洗って塩抜きしたものを薫製にした。燻煙(くんえん)の方法(温度)の違いによって、「薫製」(温薫)と「生ハム」(冷薫)と名付けた。

加えたのは塩だけで魚のうま味を引き出した。ソウダガツオの薫製はチーズのような味わいで酒のさかなにも合う。生ハムはサンドイッチなど、さまざまな料理に利用できる。両製品を漁師に食べてもらうと、「こんなにうまい食べ方があるのか」と驚かれたという。加藤さんも「とてもおいしい商品になった」と満足げだ。

ともに冷蔵で賞味期限は「薫製」が3カ月、「生ハム」は1週間。鮮魚と比べ活用方法、販路は一気に広がった。特産品として土産品になる期待もある。現在は大磯駅前の「地場屋ほっこり」、大磯港の「めしや大磯港」で販売しているが、今後は湘南の飲食店や商店で販売してもらうため商品をアピールしていく計画だ。問い合わせは湘南定置水産加工電話0463(73)8383。

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