町工場の職人や工業高校生たちが、自作のこまで闘う「全日本製造業コマ大戦」の第3回全国大会(実行委主催)が1日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区のクイーンズスクエア横浜で開かれた。予選を勝ち抜いた全国21チームが、技術を結集したこまで熱戦を展開。ものづくりの素晴らしさをアピールした。
コマ大戦は、2011年に横浜で始まり、技術力をアピールする全国的なイベントに発展した。直径2センチ以下、高さ6センチ以下のこまを使い、直径25センチの土俵で一対一で闘う。相手を土俵外にはじき飛ばすか、相手より長く回り続ければ勝ちとなる。
材質、重さ、形は自由なため、アルミなど複数の金属を組み合わせ、10グラム前後まで軽量化しつつ回転力を付けた持久戦型、相手をはじき飛ばすため100グラム前後まで重くし、周囲に突起を付けた攻撃型、回転時に羽根が開いて攻撃する変形型など、技術を駆使したこまが登場した。対戦相手に応じ、投げ方、こまの配置が勝敗を大きく左右するため、見事な投げで勝利が決まると、会場は歓声で盛り上がった。
決勝戦は持久戦型の「審議隊トミー&マツ」(愛知県、東京都)と変形型の「岩沼精工」(宮城県)の対決。審議隊のこまは、変形型の長い羽根をかいくぐることに成功し、王者となった。審議隊の松宮政美さん(50)は「町工場でもアイデアを追求することで大資本に勝てる」と、町工場、職人の誇りを語っていた。