県は19日、県内927地点の基準地価(7月1日時点)を公表した。平均変動率は住宅地がマイナス0・7%、商業地がマイナス0・5%で、いずれも4年連続で下落したが、下落幅は3年続けて縮小した。市町村別では再開発が進む川崎市が住宅地、商業地とも唯一上昇に転じた。
住宅地で前年と比較できる継続地点(565地点)をみると、上昇地点は前年はゼロだったが、今年は川崎市の28地点を筆頭に横浜市が19地点、相模原市が3地点など計56地点と大幅に増加した。
56地点は、いずれもJR南武線や東京急行電鉄東横線など主要路線の駅近くの住宅地。県は「交通利便性が高く、駅から徒歩圏内という希少性が評価され、再開発も進んでおり、土地取引が活発となった」(土地水資源対策課)と分析する。
また、商業地でも継続地点(206地点)のうち上昇がゼロから29地点に増加。川崎と横浜市が大半を占めた。一方、東日本大震災後に生じた津波への警戒感が沿岸部の地価動向に表れ、藤沢と鎌倉市の沿岸部で下落幅が広がった。
住宅地の平均価格は17万8200円。価格トップは横浜市中区山手町となり、前年トップだった同市港北区日吉本町1丁目と入れ替わった。
商業地の平均価格は40万1400円。横浜駅西口の同市西区南幸1丁目が30年連続で価格トップとなった。
基準地価は1平方メートルあたりの土地の価格で、国の公示地価(毎年1月1日時点)とともに土地取引の指標となる。
◆基準地価 法に基づき、都道府県知事が毎年7月1日時点で調べる基準地の価格。一般の土地取引や固定資産税評価の目安になり、毎年1月1日時点で調査する「公示地価」とは補完関係にある。
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