日産自動車(横浜市西区)のカルロス・ゴーン会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は30日、都内で報道関係者らの取材に応じ、4月1日付で社長とCEOを退くことに関し、「(就任前に比べ)会社規模、採算性、財務状況のすべてが向上した。ルノーや三菱自動車との提携で、今や1千万台規模の世界販売を誇り、業界のトップグループに入っている。強く、尊敬されるブランドになった」と述べ、社長に就任した2000年6月以降、自身が主導してきた経営立て直しの歩みを総括した。
英国の欧州連合(EU)離脱決定や、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しの流れが強まるなど、自動車をめぐる海外の事業環境は不透明さを増す。ゴーン氏は「影響はまだ判然としない」とした上で、「ルールが仮に変更されるにしても初めてのことではない。ルールが変わればそれに従って対応するのみ」と、事態の推移を見守る考えを示した。
これに先立ち、ゴーン氏は起業家向けのトークイベントに登壇し、「グローバル化への躊躇(ちゅうちょ)や、保護主義の台頭もあるが、長く続くとは思わない。基本的なトレンドはグローバル化で、国境はなくなり、世界は一つのまちになる」と語った。