日本理化学工業「キットパス」、スペインのプラド美術館で販売へ/川崎
経済 | 神奈川新聞 | 2012年6月2日(土) 16:32
チョーク製造販売の日本理化学工業(川崎市高津区)が開発した固形マーカー「キットパス」が、スペインの国立プラド美術館のミュージアムショップで販売されることになった。パリで開かれたインテリア&デザイン見本市に初出展したところ製品の独創性や企業姿勢が高く評価され、欧州進出を果たすことができた。
キットパスは口紅などの原材料パラフィンを使っているため力が弱くても描きやすい特徴がある。子どもの創造性を育むユニークな製品で、しかも安全であることをセールスポイントに欧州にも売り込もうと日本貿易振興機構(ジェトロ)に相談。ジェトロの支援を受けて今年1月にパリで開かれたインテリア&デザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ2012」に初出展した。
欧州のバイヤーからキットパスへの評価は高く、障害者の雇用に積極的に取り組む企業姿勢にも関心が寄せられたという。プラド美術館をはじめ複数のショップから商品化の引き合いが寄せられた。
スペインでの商品化に向けてプラド美術館が指定するデザインにパッケージを変更したが、裏面には会社名と「MADE IN JAPAN」の文字が刻まれることになった。7月から店頭に並ぶ予定という。
欧州は子ども向けマーケットが盛んなことから、大山隆久社長は「今回の受注を足掛かりに、欧州市場にチャンスが広がれば」と期待を込めている。
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