三菱ふそうトラック・バスは21日、新型ハイブリッドトラックの輸出モデルの生産を川崎製作所(川崎市中原区)で行うことを明らかにした。今夏以降、欧州やアジアなど世界10カ国以上での販売を検討。川崎から世界のエコカー市場に製品を供給したい考えだ。
三菱ふそうは小型トラック「キャンター・エコハイブリッド」を5年10カ月ぶりにフルモデルチェンジ。今月下旬から国内販売を始めている。
新型車は、韓国メーカー製のリチウムイオン電池を搭載。軽油1リットル当たり12・8キロと業界トップクラスの燃費性能を実現した。また、業界で初めて電池の10年間保証も導入している。
アルバート・キルヒマン社長は「環境技術で世界のリーダーになる」と述べ、世界戦略車としての位置付けを示した。まず国内販売で年間2千台を計画。夏以降は欧州や豪州、台湾、香港、シンガポールなどに供給したいという。
同社では川崎での生産にあたり、コスト削減策として親会社・独ダイムラーグループと調達や部品を共通化。新型車ではモーターを制御するインバーター、バッテリーをつなぐ電線などで、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツのエコカーと同じものを使用した。共通部品はドイツから供給を受けるという。
同社は「ユーロ安の傾向なので必ずしも円高や国内生産が不利とは言えない」と話した。
生産にあたり川崎では、異なる車種を1ラインで生産する「混流生産」の方式を採用。輸出モデルも同じラインで生産するため、新規の設備投資などは行わない予定という。
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