駐輪ラックや精算機は不要、自転車に電子錠を装着するだけ―。そんなユニークな自転車シェアリングシステム事業の実験が9日、横浜国立大学で始まった。スマートフォン(多機能携帯電話)などを活用、省エネ・省コストでの運用を可能にした。開発した企業は大学などでの放置自転車問題の解決を図るほか、将来的には街中での普及を描いている。
その名も「COGOO(コグー)」。省エネのコンサルティング事業などを手掛けるリレーションズ(東京都千代田区)などが開発した。開発にあたり、都市交通計画を専門とする同大学の中村文彦教授も協力。環境省の2012年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業に採択された。
「アンドロイド」対応のスマートフォンなどで専用のアプリケーションをダウンロードし電子錠を開閉する仕組み。従来のシェアリングシステムに必要とされた通信端末を使わず、返却状況などを把握する。
同大学では自転車10台を導入、利用者を限定する形で実験を始めた。6月までに100台とする。
多くの大学で放置自転車が問題となる中、同社は今後、首都圏のほかの大学にも導入を予定。シェアリングを定着させ、使用される自転車台数を減らすことで問題解決につなげる。
「将来的には駐輪場不足のマンションや、レンタサイクル需要の高い観光地のホテル、コンビニエンスストアなどにも普及したい」と話している。
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