横浜幸銀信用組合(横浜市中区)は特殊詐欺被害防止対策の一環として15日から、キャッシュカードによるATMでの振り込みの利用制限を70歳以上から65歳以上に引き下げた。60代が多い還付金詐欺被害の阻止につなげる。
65歳以上のうち、過去3年以上キャッシュカードでATM振り込みを行っていない顧客が対象。ATMでキャッシュカードによる千円を超える振り込みができなくなった。詐欺グループに指示されATMを操作し、自分の口座から現金を送金してしまう還付金詐欺の被害を防ぐ狙いがある。
加賀町署によると、今年1月から4月末までの神奈川県内の還付金詐欺被害件数は186件で、うち6割近くが60代となっている。同信用組合は署の依頼を受け、制限の対象年齢を引き下げた。65歳から制限を加えるのは、県内の金融機関では初めてという。
引き下げの実施に先立ち署は9日、同信用組合に感謝状を贈った。池野和己専務理事(64)は「振り込め詐欺がなかなか減少しないことに心を痛めていた。少しでも減らせるように協力したい、と決断した」と話した。(砂田 弘明)