相鉄・東急直通線が18日に開業する。神奈川県央や横浜市西部から東京、埼玉に至る広域的な鉄道ネットワークの未来は。挑戦の現場を追った。

日本のサグラダ・ファミリア─。絶えず工事が行われてきた横浜駅は、スペインの未完の教会にちなみ、そう揶揄(やゆ)されてきた。
その冗談も今や過去の話となりつつある。
2019年に横浜駅の中央自由通路と西口地下街を結ぶ新通路が開通し、長年課題とされていた「馬の背」が解消された。20年には、駅西口直結の高層複合ビル「JR横浜タワー」が開業。新たな客層をつかみ、周辺施設への誘客につながっているという。
だが、西口のある商業施設関係者の顔色はさえない。18日に開業する相鉄・東急直通線について「正直、歓迎できない」。直通線は横浜駅を通らず都心へ向かうことから、来街者の減少を懸念する。
都心では近年、ターミナル駅の電鉄系百貨店の存在感が薄れている。1月には、東京・渋谷の東急百貨店が閉店。背景には、活発化した鉄道の相互直通の影響も指摘されている。
横浜駅は鉄道6社局が乗り入れ、新型コロナウイルス禍前は1日延べ200万人超が利用。そのうち相鉄線の利用者は約2割とされる。
長い目でプラスに
相鉄・東急直通線の挑戦 都市間競争の行方に注目
多くの人が行き交う横浜駅西口駅前広場=横浜市西区 [写真番号:1146540]
相鉄・東急直通線開業でにぎわいの低下が懸念される横浜駅西口=横浜市西区 [写真番号:1146561]
相鉄線二俣川駅の券売機そばに置かれたダイヤ改正パンフレット。「YOKOHAMA どっちも定期」の案内も記載されている [写真番号:1146589]