車の乗り心地を支える「懸架ばね」やシートだけではなく、コンピューターのハードディスク(HDD)や半導体製造装置向けの精密部品なども手がけるニッパツ(横浜市金沢区)。業績をけん引する新事業領域を中心に、積極的に投資を進めている。半導体供給不足などを背景に、サプライチェーン(供給網)が大きく乱れた2022年の振り返りと各事業の方針について、茅本隆司社長に聞いた。(聞き手・片田 正記)
─22年は、どのような年だったか。
「とにかく変動要因が多い1年だった。半導体供給不足が長引く点はある程度想定できていたが、ロシアによるウクライナ侵攻や中国・上海でのロックダウン(都市封鎖)、円安や物価高騰の急速な進行は想定外の事態。とはいえ、ここ数年の間は想定外の事態が常に起きており、われわれも想定外慣れし始めたかもしれない。バタバタとしながら何とか乗り切ったとの思いだ」
─自動車業界はどうだったか。