
横浜市内の農家が未利用の野菜や果物を提供し、市内の福祉施設の障害者らが乾燥させて袋詰めした製品が今月から、JR横浜駅直結の商業施設・ニュウマン横浜内「2416MARKET」で販売されている。ブランド名は「YOKOHAMA Dry(横浜ドライ)」。農福連携によって、規格外で出荷されない農作物に新たな価値を加える「アップサイクル」の試みで、商品の販路は徐々に広がっている。
プロジェクトは、食品ロス削減を目指す合同会社・グロバース(同市西区)の長谷川哲雄代表(54)と、乾燥野菜の便利さやおいしさを知ってもらおうと「干し野菜研究家」として活動する澤井香予さん(41)の2人が立ち上げた。
「ドライ」のコンセプトは「つくるヒト たべるヒト みんなシアワセ」。それだけに2人は、未利用農作物だから安くではなく、価値を高めて、農家から適正価格で買い取り、障害者にも適正な賃金を支払うことを目指す。だから商品パッケージには農家や施設の名前が記載されている。

現在、こうした趣旨に賛同してプロジェクトに参加する市内農家は▼浜農家ヒラモト(神奈川区)▼横浜新鮮野菜土志田(緑区)▼井上農園(泉区)-の3軒。また、▼クロスハートワーク戸塚(戸塚区)▼つぼみの家(泉区)▼るあな(同)▼ぶどうの樹(同)-の就労支援事業所など4福祉施設が商品化の作業を担っている。
うま味凝縮、人気商品は
横浜で未利用野菜を乾燥し販売 農福連携、新たな価値加え
ニュウマン横浜内「2416MARKET」で「YOKOHAMA Dry」を手にするグロバースの長谷川代表(左)と澤井さん [写真番号:1141094]
パスタなどとセットで少人数分用に袋詰めされた商品。一つ一つの袋に野菜を作った農家や、乾燥して袋詰めした障害者の就労支援施設の名前が入る [写真番号:1141097]
干し野菜を袋詰めする作業の様子=クロスハートワーク戸塚 [写真番号:1141095]