
未知のウイルスとの闘いは新たな局面を迎えようとしている。資源や原材料の価格高騰、長引く供給制約、海外経済の下振れリスク…。横たわる障壁を乗り越え、神奈川県内経済は本格的な回復局面を迎えられるのか。横浜銀行(横浜市西区)の片岡達也頭取に聞いた。(聞き手・武田晃裕、川島秀宜)
─足元の県内経済をどう見るか。
「幾つかに分けて考えたい。まずは円安。県内は製造業、輸出企業が多いため、比較的プラスの影響が大きい。決算が増益となり、業績予想の上方修正も相次いだ。とはいえ、輸出の数量自体が増えているわけではない。さらに、欧米や中国の景気が減速する恐れがあり、回復の勢いは鈍るだろう」
「個人消費については新型コロナウイルス禍以前の姿に戻りつつあるが、一服感が出ている。徐々に回復してきたとはいえ、右肩上がりが続くかは不透明だ。仕入れコストの上昇を受けた物価高も響いてくる。経済全体が伸び悩みかねないが、神奈川が持つ力強さに期待したい」
─屋台骨となる中小企業とどう向き合うか。