
エネルギーや原材料の価格高騰など、地域経済の担い手である中小企業は、かつてない厳しい経営環境にさらされている。地域金融機関として、いかに支えていくのか。関東信用金庫協会会長で、かながわ信用金庫(横須賀市)理事長の平松廣司氏に聞いた。(聞き手・岡本晶子、武田晃裕)
─昨年は、原材料高騰や急速な円安などが企業を直撃した。県内中小企業の現状をどうみているか。
「今年は(実質無利子・無担保の)ゼロゼロ融資の返済が本格化するが、売り上げなどが入ってこなければ借りたお金も費えて、返済が滞る可能性がある。原材料価格が上昇しても中小の場合、価格転嫁が難しい現状がある。中小を取り巻く環境は一層、厳しいものとなるだろう」
「最近は何の予兆もなく倒産するケースも増えている。事業承継がうまくできない、将来の展望が描けないというのが、中小の一番の悩みだ。信金業界も含め、今は変革の時代。変革しなければ生き残っていけないと認識し、自分たちでビジネスチャンスをつくっていかなければならない」
─そういった状況の中で、信用金庫が果たす役割、支援の在り方をどう捉えているか。