売り上げが縮小傾向にある出版業界。同様に全国の書店数も大幅に減少、電子商取引(EC)サイトの台頭により従来のビジネスモデルが変化している。そうした中、創業112年の歴史を誇る書店チェーン・有隣堂(横浜市戸塚区)は、どう差別化を図ろうとしているか。事業方針や展望を松信健太郎社長に聞いた。(聞き手・森 俊平)

─近年の本の売れ行きは。
「全国出版協会出版科学研究所によると、最盛期の1996年の2兆6564億円から、2021年は1兆2080億円まで売り上げが減少した。出版業界の市場縮小は止まらない。本を売るという従来のビジネスが厳しくなっている。その中でも弊社を選び続けていただくには、差別化が必要。他店にはないもの、ファンになってもらう仕掛けづくりが重要だ」
─差別化の取り組みは。