稼働停止した石油精製プラントをドローン開発の実証フィールドとして活用し、新たな技術開発に向けた取り組みが川崎臨海部で進んでいる。再生可能エネルギーなどへのエネルギーシフトを背景に停止する製油所が増える中、コストをほとんどかけずに利用転換を図った。ドローンの実証フィールドは全国でも珍しいという。
高さ約20メートルの石油タンクや小型ドラム缶、張り巡らされた配管─。
ENEOS(エネオス)川崎事業所には、2000年から停止しているプラントの一部がそのまま残る。エネオスホールディングス(HD)は施設を活用し、施設点検や警備、災害対応などに活用できる自動航行ドローンの技術開発に向けて、テスト飛行を繰り返し行っている。
プラント特有の複雑な構造が適度な障害物となり、目視が難しい高所や繊細な動きが求められる狭い場所など、さまざまな環境で飛行データを集めることができるという。エネオスHDの担当者は「障害物がない場所では単純な飛行しかできない。停止しているプラントは、実証フィールドに適している」と話す。
きっかけは、今後の需要は
川崎の休止製油所活用 自動運航ドローン開発へテスト飛行
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ドローンのテスト飛行が行われている石油精製プラント=川崎市川崎区扇町 [写真番号:1094498]
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ドローンが展示され、他の企業などの関係者と意見交換できる「ENEOSカワサキラボ」 [写真番号:1094499]