疲弊した企業の存続に向けた、金融機関による融資審査の実態と取り組みに迫る。

「資金繰りが逼迫(ひっぱく)し、何度も窮地に追い込まれたが、地域金融機関に助けてもらった」。横浜市にある部品製造会社の役員は、打ち明ける。
同社が手掛けるのは、金属製の型枠を製作する材料を仕入れ、完成した金型で部品を製造・販売する事業だ。リーマン・ショックや東日本大震災の影響で受注が減ったことを受けて、メインバンクに相談。経営改善を図るため、支店長や担当者と膝を突き合わせて関連書類を作成するとともに、複数の取引金融機関から借り入れの返済猶予を受けた。
支払いが先行する事業だけに、運転資金は欠かせない。だが、資金不足に陥り、顧客から新規受注の依頼があっても対応できずにいた。
苦しい時こそ助けを
コロナ禍と融資(中)神奈川の経済と雇用守る「本気度」
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