空き家を巡るビジネスが動きだしている。取り組みの現状や今後の展望を探った。

JR大磯駅(大磯町)から徒歩20分。閑静な住宅街の一角に、樹木に覆われ、人の出入りの気配がない住宅がある。
10月上旬。男性が敷地の外から電気メーターや入り口の様子を確認し、つぶやいた。「空き家ですね。もう何十年もそのままなのでは」。周辺の住民に聞き込みをし、集めた情報をタブレット端末「iPad(アイパッド)」に入力した。
男性は、空き家に関する情報提供を行う民間企業「空き家活用」(東京都)で調査員として働く小中原研さん(57)。この日は町内の7~8キロを3時間歩き、5軒の空き家を見つけた。
「街を歩くと空き家の多さに驚く。きれいに手入れされていても、空き家であることはよくある」