
人気菓子「クルミッ子」などの商品を手掛ける菓子製造会社「鎌倉紅谷」(鎌倉市)。
3代目の有井宏太郎社長(42)が就任した2008年以降、会員制交流サイト(SNS)の活用やブランディング戦略で知名度が高まり、会社が大きく成長した。
東京に出店するなど店舗数を増やすことで売り上げを伸ばしてきたが、今後はそのペースを下げ、創業地の鎌倉に「恩返し」していくという。
経営戦略について有井社長に聞いた。(聞き手・徳増 瑛子)
-社長に就任してから取り組んできたことは。
「昔のクルミッ子のパッケージには源頼朝が描かれていて、渋く、50~60代が主な顧客だった。客層を広げるため、リスを描いたかわいらしいデザインに一新し、ターゲットを20代半ばから40代半ばと定めた。さらにこのリスを、会社を象徴するキャラクターにした。年間売り上げは社長就任時の約8倍に当たる31億円となり、従業員も約10倍の約300人に増えた」

-就任した当初は3店舗だったが、10店舗に増えた。
「10年ほど前からクルミッ子が欠品するようになり、それに対応するように工場や店舗を増やしていった。おいしい菓子を多くの人に届けたいという気持ちもあった。知名度も次第に高まっていった」
-どうして知名度が高まったのか。
鎌倉紅谷・有井宏太郎社長 3代目社長の成長術と恩返しとは
鎌倉紅谷 有井宏太郎社長 [写真番号:662150]
パッケージを一新する前の源頼朝が描かれたクルミッ子のパッケージ(左)と、かわいらしいリスが描かれた現在のクルミッ子のパッケージ [写真番号:662151]
宝塚大劇場とコラボしたパッケージ。「スミレッ子」として発売している [写真番号:662270]
インタビューに応じる鎌倉紅谷の有井宏太郎社長 [写真番号:662271]
鎌倉紅谷の商品。左から「鎌倉だより」「あじさい」「クルミッ子」 [写真番号:662272]