日産自動車(横浜市西区)が、販売現場と連携して「売らない店員」の配置を進めている。
セールストークを封印することで来店の心理的抵抗を軽減し、体験プログラムで先進技術を堪能してもらう試みという。
接客の現場をのぞくため、神奈川日産自動車百合ケ丘店(川崎市麻生区)を訪ねた。
難しい仕組み、優しく解説
「こちらへどうぞ」
店舗に入ると、間仕切りのある商談ブースではなく、開放的な空間のテーブルへと案内された。「お客さまにプレッシャーを感じさせないための配慮です。では、始めましょう」
担当者は神奈川日産自動車(横浜市西区)の菅野卓哉さん(31)。セールス活動を展開しない「日産ブランドクルー」の一人だ。
まずは自動運転や電動化の先進技術について説明を受け、試乗で使う「スカイライン」に乗り込む。高速道路の同一車線内であればハンドル操作や加減速が自動化され、手放し走行ができる運転支援技術「プロパイロット2・0」の搭載車だ。
コースは往復44キロ、時間にして約90分を要する。最初は一般道で東名川崎インターチェンジ(IC)へ向かう。
不意に聞かれた。「ハンドルが軽くないですか」。まさにそう感じていたので、大きくうなずく。いわく、タイヤの向きを電動で制御しているが故の「軽さ」なのだという。専門用語を避けながら、難解な仕組みを平易な言葉で解説してくれた。
価格の話は一切せず
日産「売らない店員」の接客術 営業の血は騒がないのか
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